ミネラルウォーターの専門家・アクアソムリエの鶴田雅人氏にインタビューしてみた
先日、月曜から夜ふかしでも取り上げられたアクアソムリエ。その鶴田雅人氏にインタビューしてみた。
−簡単に自己紹介をしてもらえますか?
2007年くらいにアクアソムリエ資格を取得して、すぐにアクアソムリエマイスターとなり、2010年くらいからは後進のソムリエの育成にも携わっています。水の人です(笑)
−水に興味を持ったきっかけはなんですか?
例えばペットボトルのお茶でも、メーカーによって味が全然違いますよね。同じように、初めてエビアンを飲んだとき、南アルプスの天然水と味が違うなと思ったのがきっかけです。その後、東京でミネラルウォーターの専門店とか、ソムリエの資格とかを知って、そこからどっぷりミネラルウォーターの世界に浸かっています、水だけに(笑)
−ミネラルウォーターの専門店って?
昔は西麻布にアクアストアという路面店があって、世界中のミネラルウォーターを並べて販売していました。今は路面店は撤退して、ネットショップに限定しているようですね。
−エビアンと南アルプスの天然水で、今言葉にするならどんな違いが?
南アルプスの天然水は軟水で、エビアンは中硬水なんですよね。中硬水の方が、硬度が高いので、水自体もとろっとしています。また、硬度とはすなわちカルシウムとマグネシウムの高さなので、ミネラルから来る味の濃さがありますね。
−水に関する資格について教えてください。
アクアソムリエは、所定の講座を履修し、試験とテイスティングに合格することで認定されます。お水に関する基本的な知識や、軟水、中硬水、硬水などを区別するテイスティング能力が求められます。
その中で、学んだ知識をさらに深めたい方を対象にしているのがアクアソムリエマイスター。実践型の講座、例えば水とお料理のマリアージュを考えたり、水の市場についても学びます。
−アクアソムリエとして雑誌やテレビに出ていますね。
個人として目立ちたいというよりは、ミネラルウォーター界を盛り上げて、ヨーロッパの水準に近づけたいと思ってます。
誰かが広告塔にならないと、という思いはあるので、自分がその役割を担って、キャラを面白がってもらえるなら、それは幸いです。
−おすすめの水の飲み方があれば教えてください。
ぜひ、最も水の味が分かる常温を試してもらいたいです。冷やして飲む場合も、あまり冷やしすぎず、10-15℃くらいが美味しく飲めると思います。
口にするときは、3種類ほど違う銘柄の水を並べて、同じコップを3つ並べて注いで飲むと、味の違いが分かりやすいかもしれません。紙コップは香りがわからなくなるので、ガラスかプラのコップで。ソムリエとしてテイスティングするときもそうやって飲みます。
−最近はコンビニでも常温水を置くようになりましたよね。
すばらしい取り組みだと思います。常温の方がお水の味がわかるので。冬は冷たいですしね。あとは、お薬を飲む方にも、助かると思います。
−日本と外国でミネラルウォーターは違いますか?
かなり違います。いちばん水準が厳しいのはヨーロッパですが、採水地の保護など、ミネラルウォーターを名乗るためのハードルが高く設定されています。その分品質も良いです。
日本は、出てくるお水の質は軟水で良いと思うのですが、どのような取り扱いをするかはそれぞれのメーカーさん次第なので、採水地の保護や、同じ水源の水でも炭酸なし/炭酸ありの両面展開など、もっと盛り上がってくれればと思っています。
−ところで、鶴田さんはどのくらいミネラルウォーターを飲んでいますか?
過去に500種類を超えるミネラルウォーターを飲みました。ですが、日本には2,500種類を飲んでレビューしている方がいるので、上には上がいますね。
一日に500mlボトルを4本は飲んでいるので、年間1,400本強、通算では2万本近く飲んでいると思います。
−鶴田さんおすすめのミネラルウォーターを教えてください。
ガルヴァニーナブルー
青のボトルが素敵な炭酸水です。水自体の味もしっかりあって、特別な日におすすめな一本。
ファミリーマート 津南の天然水
軟水の中でもやわらかい水で、誰でもすっきりと飲める味わい。
サンベネデット
イタリアの水で、炭酸あり/炭酸なしの両面展開をしています。レストラン、カフェでもよく見かけますね。
CAPI
硬度感のほどよい、強めの炭酸水(もちろんミネラルウォーター)。水自体の味わいと、炭酸感がマッチしてておいしいです。
インタビューは以上ですが、ミネラルウォーターの奥深い世界を少しでも感じられたでしょうか。今日から飲む水を、少しだけ味わいを感じながら飲んでみていただければ幸いです。